また,本件各ホステス報酬の支払に際して「税,厚生費」として控除される
額は,本件各期間における本件各ホステス報酬の額に12パーセントを乗じた
もの,すなわち,(時給×勤務時間数+手当)×0.12の式により算定され
おり,ペナルティの額は考慮されないこと,報酬支払明細書上においても,
「総支給額」としてペナルティ控除前の金額を表示していること(乙13の1
~4)からみて,原告自身,ペナルティが本件各ホステス報酬の算定要素に当
たらないものとして扱ってきたものと考えられる。
加えて,乙14・15の各1・2によれば,当該計算期間の報酬から控除し
きれなかったペナルティの残額が,次の計算期間の報酬から控除されているこ
とが認められ,残額部分は報酬の発生の有無にかかわらず別個に発生している
ものといえる。
したがって,本件各ペナルティは,単なる報酬の算定要素の1
つではなく,債務不履行に基づく損害賠償債務としての実体を有しているもの
といえる。
これらの事実によれば,本件各ペナルティは本件各ホステス報酬の計算要素
には当たらず,「同一人に対し1回に支払われる金額」は,本件各ペナルティ
控除前の金額であると解するのが相当である。
4 まとめ
前記第2の2(5),(6),(7)のとおり,本件各納税告知処分及び本件各賦課決
定処分の内容は,?本件各ホステス報酬の額からペナルティに係る金額を控除
した後の金額から,5000円に出勤日数を乗じた金額を控除した後の金額に,
100分の10を乗じた額と,原告の納付済税額(本件各ホステス報酬の額
からペナルティに係る金額を控除した後の金額から,5000円に本件各期間
の日数を乗じた金額を控除した後の金額に,100分の10を乗じた額)との
差額に当たるところ,原告が納付すべきであった額は,本件各ホステス報酬の
額(ペナルティに係る金額の控除前のもの)から,5000円に本件各期間の
日数を乗じた金額に,100分の10を乗じた額であるから,結局,原告の納
付済税額は,ペナルティに係る金額として控除された額に対する源泉徴収税額
(10パーセント)相当額が不足していたことになる。
そして,甲3によれば,法定納期限ごとのペナルティに係る金額として控除
された額は,別表2の「ペナルティ」に係る金額欄記載のとおりと認められる。
したがって,本件各納税告知処分及び本件各賦課決定処分のうち,別表2記
載の源泉徴収すべき税額及び不納付加算税額を超える部分は,違法である。
5 以上によれば,原告の請求について,本件各納税告知処分及び本件各賦課決
定処分のうち別表2記載の源泉徴収すべき税額及び不納付加算税額部分の取消
しを求める部分は理由がないから棄却し,本件各納税告知処分及び本件各賦課
決定処分のうち上記各金額を超える部分は違法であるから取り消すこととし,
訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条本
文を適用して,主文のとおり判決する。